ホリエモンではありませんが、”暴落の前に天才がいる”と言ったのは、ジョン・K・ガルブレイスです。彼はこんな名言を残しています。
・・・金融に関する記憶は極度に短いということである。その結果、金融上の大失態があっても、それは素早く忘れられてしまう。さらにその結果として、同一またはほとんど同様の状況が再現するとーそれはほんの数年のうちに来ることもあるのだがー、それは、新しい時代の人からは、金融および経済界における輝かしい革新的な発見であるとして大喝采*を受ける。こうした新しい世代の人というものは、おおむね若い人たちであり、常に極度の自信に充ちた人たちである。人間の仕事の諸分野のうちでも金融の世界くらい、歴史というものがひどく無視されるものはほとんどない。過去の経験は、それが記憶に残っているとしても、現在のすばらしい驚異を正しく評価するだけの洞察力に欠けた人の無知な逃げ口上にすぎないといて斥けられてしまう。
なお、* 印をつけたところは、別のところでマーシャルの次の箴言も引用されています。
・・・新古典派経済学の尊敬すべき預言者アルフレッド・マーシャルは、「経済学者は喝采を受けることを何よりも恐れるべきだ」と・・・。
別に経済学者でなくても(でも竹中さんは以前は経済学者でしたからこれらのことはご存知のはず)、ホリエモンがこれらを自ら読んでいたり、誰かが指摘したりすれば、あんなライブドア・ショックは起こらなかった、すくなくとも未然に防げた、というのは無理な願いでしょうか?