ウオーターハザードの処理の正解

 出題の図を再掲します。
 A地点でショットしましたが、向こう岸を越えたけれども斜面を登りきれずに、池に入った場合です。
Aで1打、救済措置を受けるために1罰打で、次の打球地点を決める問題でした。

結論として、Aの場所から打つか、Cから打つかの選択をしてください。ということになります。AがフェアウエィでCがラフ、距離がそれほど違わなければ、グリーンを広く利用できるAの方が有利だし、Aから再び同じ結果になりそうな距離があるならCを選ぶことになるでしょう。

 では、Dが不正解というのは腑に落ちない!、とおっしゃる人があるでしょう。Aから直接池に入れば、ピンと最初に越えた境界線を結んだ後方ですから、DもAも正解です。しかし、池に入ったのはEからです。ピンとEの延長線の後方でなければなりません。

 次に、Bはどうでしょう。池が平行ウオーターハザードと指定されていれば、Eより近づかなければ正解ですが、そうでなければBは選択できないのです。

池がOBゾーンと指定されていれば、正解はAのみとなります。

 服装のマナー

 ゴルフ発祥の地英国では、紳士・淑女のスポーツとしてマナーをやかましく、かつ厳格に守ることが要求されました。日本でもゴルフ場の品格を保つため、それぞれがある程度の水準のマナーを求めています。最近では見知らぬゴルファーから服装の注意をされるような場面は見ませんが、メンバー同士ではビジターのマナーの悪さを指摘して自戒したりしています。

 例えば服装では、ノーハットはいけません。ハットとは、ベレー帽のように、つばやひさしのある帽子です。つばのないキャップは帽子ではありません。サンバイザーは帽子と認められます。プロがノーハットで試合に出場していますが、誉められたマナーではなく、ノーハットのアマには「偉そうにして」との陰口もきかれます。

 シャツは襟がなければなりません。徳利のセーターの下には襟のあるシャツが覗いていない場合があります。前空きのセーターにしてください。真夏といえども肌着一枚は絶対にいけません。
 クラブハウスでは上着が必要です。ネクタイはゴルフが終わってからのパーティでは必需品です。

 ズボンにはベルトが必要です。ゴムで止めるズボンはとも布でベルトの形が付属したものを使いましょう。ニッカーボッカーなど半ズボンは許されますが脛毛が見えないような長さのあるソックスは必需品です。女性は本来ズボンが認められませんで、必ずスカートを着用しなければなりません。しかしホテルなどのパーティーで和装・パンタロンなどが認められるように、認識が変化しています。

タオルは汗拭きです。腰に下げたり、襟巻きにしたり、鉢巻をするのは行儀を知らない田舎物としてさげすまれます。

 上記は服装についての基本ですが、過去の特権意識とか、差別意識というような批判的な風潮があって、時代と共に服装へのこだわりは緩和されています。健全な大衆スポーツとして過度の制約は不必要ですからあまり神経質になることはありません。
 しかし、それぞれゴルフコースの習慣がありますから、下品にならないように他人への気配りをすることも大切なのです。

  このマナーの位置付けは、競技規則の最初に書かれています。つまりルールなのです。ゴルフという競技は「他の競技者に迷惑をかけてはいけない」という精神がまずあるわけです。もちろん、どのような服装がいけないのかということは全く書いてありません。プレーヤー自身が決めることです。その判断の結果が他人に迷惑をかける結果となることは、ゴルフをプレーする資格すらないと考えられます。

 数あるスポーツの中でゴルフ競技の大きな特徴の1つは通常、審判員が判定に立ち会わないということです。それはゴルフがフェアプレーを重んじるスポーツであって、基本的に「ゴルファーはみな、誠実であり、故意に不正をおかす者はいない」ということが前提となった考え方になっているからです。また、ゴルフゲームには予測できない事態が起きたが適用できる規則がないときには公正の理念に従って解決してきたという歴史的風土があり、そこにゴルフ規則の本質と精神をうかがい知ることができます。

 もちろん、ゴルフ規則の中にも罰則はありますが、それはゴルフ規則を知らなかったり過失によってその処置を誤ったプレーヤーに対して、競技全体の公平をはかる観点から決められたものです。ですから、ゴルファーの一人ひとりがゴルフ規則を知って自主的に規則を守るようにすることが大切なのです。

 規則の記述は、例えば球を動かす場合について次のように書かれています。

規則22 プレーの妨げや援助になる球

 プレーヤーは、次のことをすることができる。

 a. 自分の球が他のプレーヤーのプレーを助けると思った場合にその球を拾い上げること。

 b. 他の球が自分のプレーを妨げたり他のプレーヤーのプレーを助けると思った場合に、その球を拾い上げさせること。

 ただし、このようなことは別の球が動いている間はしてはならない。ストロークプレーでは、自分の球を拾い上げるよう要求された競技者は、球を拾い上げないで先にプレーすることができる。

 規則22により拾い上げた球はリプレースしなければならない。

と書かれています。普通、規則では罰則を書きますが、ゴルフ規則ではプレーヤーの正義が前提ですから、他人に言われる前に他人の邪魔になっているかどうかを、こちらで判断するのが原則です。何インチ離れていたら動かすのではなく、スタンスの邪魔になるかどうかを思いやるという態度を基本としているのです。

 因みに規則22の違反の罰は,マッチプレーでは そのホールの負 、ストロークプレーでは 2打罰と書いてあります。

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