○質問
 ○ グリーンについて教えてください

 
 ゴルフの楽しみは、日頃都会の部屋に閉じこもって仕事をしているビジネス人の気分転換、目の保養です。その演出に欠かせないのが「芝」の鮮やかな緑です。

「隣の芝生は良く見える」という諺は、自分の家の庭は足元を上から見るから、土が見える、雑草が見える。隣の庭は横から見るのできれいに見えるというとこらから、他人をうらやむたとえとして使われます。ゴルフ場の経営者にとって、足元の芝が評価されるグリーン・キーパーの腕の良否は大切です。

 プレーヤーにとっても、芝の状態は気になる存在でしょう。柔らかくてスパッと切れる芝はプロゴルファーのような気分になるし、ラフのまつわりつく芝は初心者になった気分にさせられます。ゴルフ場の芝はいろいろな面で研究されています。しかし、サッカー場、競馬場にも芝はありますけど、ゴルフ場以外の芝の研究は、まだまだ遅れている分野なんです。

 グリーンの速さをマスター室の前に表示してあるゴルフ場がありました。球の転がりをメートルで表示します。グリーンの良否はスコアを左右する重要なファクターとなります。

そこで今回は芝の種類と性質についての話です。

高麗芝

原産地は韓国でしょうか、日本シバの一種で葉の幅1.0〜4.0ミリをコウライ芝と呼んでいます。古くから日本の山野に自生しており、暑さ、寒さ、乾燥に強く丈夫でゴルフ場のフェアウエイやグリーンに広く利用されている、春から秋の季節を通して緑の美しい芝です。

しかし、冬は休眠し地上部は枯れて黄褐色になるので、「夏シバ」と呼ばれることがあります。葉が硬く丈夫なので、いくら低く刈り込んでも、ボールがスムーズに走らないのが特徴です。

ボールの位置からカップ方向へ、順目は光って、色が薄く、逆目は黒っぽく見える。

順 目
逆 目
横 目(スライス)

 普通は北から南へ順目が流れますが、海の近くや、富士山から吹き降ろす強い風のため、特に芝目がキツイ所では、海や山を背にして順目となり、プレイヤーの意図する方向とは無関係にボールが走るという、癖のある転がり方をします。したがって、コウライ芝のグリーンでプレーする時には、芝目を良く読みパットの強さを調節しなければならない難しさがある反面、微妙なタッチの苦手なら、強めに攻めると割合楽に征服できるグリーンです。

ベント芝

 欧米から持ち込まれた洋芝で、ゴルフ場で使われているのは、クリーピング・ベントグラス、コロニアル・ベントグラス、ベルベット・ベントグラスの3種があります。

クリーピングベントグラスはグリーンには最適の芝で、冬も緑を保っています。地上を這って増える性質があり、生育が早いので、削り取られても残った根から新芽が吹き出すので損傷後の回復力が優れており、細かく密生した美しい芝生を作ります。
 短く刈り込むとスベスベした高品質の芝生になるので、グリーンのすべりは最適のコンデションを演出する主役です。

 コロニアルベントグラスは、直立して伸びる性質があり短く刈り込むと、丁度生け花で使う剣山のようになり、グリーンの中央に立って周囲を見回しても芝目を感じさせない素直な転がりが特徴です。

 ラウンド前にハウス・キャデイさんに「ベントの種類は何?」と質問したら、もうキャデイさんはラインを教えてくれません。自分の目で・感触で、芝を味方にしましょう。では、芝の違いによってパッティングはどう変わるのでしょうか?

 順目・逆目と傾斜の関係

コウライ芝 芝目と傾斜の両方を観察する

ベント芝 傾斜を中心にしてラインのイメージを描く

ベントグリーンは芝目がきつくないので、グリーンの傾斜を十分に確かめ、ラインをイメージして打ちます。しかし、コウライグリーンの場合は芝目がきつく、この芝目がボールの転がりに影響します。

スライスラインでも右から左への芝目であれば、傾斜と芝目が相殺されてボールがまっすぐに転がることも珍しくありません。したがって、コウライグリーンでは傾斜と芝目の両方を確かめて打つことが大切です。

グリーンの傾斜を読む時は、全体のロケーションの中でのラインを見ないと騙され易いから、グリーンに近づいたときに(あがる前に)グリーン全体の傾斜を見ておきましょう。また、他のプレーヤーの転がり方や、ラインも参考にしましょう。特にカップの周囲では、微細なアンジュレーションに影響されますから、どうしても決めたい一発はカップの反対側から観察しておく周到さを持ちましょう。必要なのは「鋭い観察・早い決断」です。

 距離感とラインのイメージ

コウライ芝 強めに打つからラインはやや直線的に狙う

ベント芝 柔らかいタッチで、ラインをふくらませる

 ベントグリーンでは芝目をほとんど計算に入れず、傾斜にボールを乗せる感じでソフトに打つ。ラインのイメージは曲線的になります。距離を合わせる感じでストロークした方が間違いないようです。

しかし、コウライグリーンのときは、スピードがなくなると急激に曲がるので、やや強めに打つのが正解。ラインはベントほどふくらませません。あまりソフトに打つと、芝目に左右されてボールが思わぬ方向に切れますから、強めに直線的に攻めたほうが功を奏することが多いのです。

 いろいろなゴルフ場で初めて芝と出会って、だんだんおもしろいなと思ってきました。芝生もけっこう突き詰めていくといろいろな発見があって、内緒にしておきたいぐらい。この間行った新潟のゴルフ場は基本的にフェアウェーやラフは暖地型の日本芝で、グリーンはベントグリーン、ここのようなケンタッキー系の芝はティーグラウンドだけだったのですけど珍しく、女性の"柔肌”ような肌触りの芝でした。

 ○質問○ コースへ出ると練習のようにはいかないのですが、
対策はありますか?
【ロッテルダム15日共同】サッカーのオランダ1部リーグで12月15日、小野伸二が所属するフェイエノールトは当地でAZアルクマルと対戦し、フル出場した小野は2得点を挙げた。フェイエノールトは6−1で大勝した。小野は2分に約30メートルの右足ミドルで先制ゴールを決め、85分には右クロスを頭で合わせた。

 小野は4試合ぶりのゴールで、リーグ戦は今期7得点。フェイエノールトは10勝2分け4敗で勝ち点32とした。

 ゴルフの話題が、なんで突然サッカーに飛ぶのでたぶんお怒りでしょう。わかってます。

 小野選手のやわらかいボールタッチを是非ゴルフに活用していただきたいという、私の思いを聞いてください。
ゴルフでは自分のタイミングで球を打てますが、サッカーはそうはいきません。相手チームの選手が囲む、球を奪いに来る。自分も球も動いていて、相手の選手も見方の選手も動いている。そのような状況の中で、一瞬の判断をしなければなりません。どうしても力が入ります。

 小野選手はそのような場合にも冷静で、ロブでキーパーの頭を越してゴールバーの下を潜るやわらかい微妙なタッチができます。強ければバーの上、弱ければキーパーに追いつかれます。

 アプローチ・ショットやパッティング、いろいろな状況判断の結果を瞬間のストロークに凝縮する。マイペースのようでいて瞬間の動きなのです。ゴルフで皆さんは安易な練習をしていませんか。高いプレッシャー、極度の緊張を強いられる場合に上手くいかないのは、心の鍛錬を意識して練習をやっていないからではないでしょうか。

 では、心の鍛錬の練習です。同じ状況のなかで何度も同じクラブ、同じ狙いで打つ練習は身体に覚えさせる効果がありますが、心の練習にはなっていません。コースでは通常は2度と同じスチエーションでプレイすることはありません。ですから練習場でクラブを持ち替えたり、狙いを変えたりしたときの最初の1打を打つ前に、完全なイメージを頭に描き、狙いとおりに打てれば成功です。

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