浄妙寺(じょうみょうじ)

鎌倉市浄明寺3-8-31

臨済宗建長寺派 稲荷山と号し
鎌倉五山第五位・鎌倉三十三観音第9番

文治4年(1188)に、源義家の曽孫である足利義兼(頼朝の忠臣で豪勇の士として名高い)が開基となり、退耕行勇律師を招いて創建。京都の極楽寺に対し、鎌倉の極楽寺と称し、真言宗の寺であった。正嘉年間(1257〜59)に、建長寺を開山した蘭渓道隆の弟子月峯了然が住職になってから臨済宗となり、寺名も浄妙寺と改称された。宝暦6年(1756)に足利貞氏(尊氏の父)が中興開基してから代々足利氏の保護により南北時代に最も栄え、至徳3年(1386)に足利義満が五山制度を定め鎌倉五山の第五位に加えられた。七堂伽藍が完備し、23の塔頭もあったが、火災などにより漸次衰退し、現在は総門、本堂、客殿、庫裏、収蔵庫など伽藍を形成している。本堂左手の枯山水庭園、喜泉庵があり、境内は国指定史跡となっている。(拝観料100円)


桜並木の正面の瓦葺きの山門をくぐり、ビャクシンやカエデなど良く手入れされた樹木を左右に見ながら進むと丸みのある銅葺き屋根の本堂があり、どっしりとした青銅色の屋根が風格を感じさせる。本堂の前中央に歌額が架かっている。

         はるばると まゐいりておがむ 観世音

                      ほとけのおしへ 弥陀の浄土へ

本堂内には、大きな「方丈」の掲額があり、本尊として釈迦如来坐像が祀られてある。七堂伽藍の時代には、現在の本堂が方丈であったと推測される。


本堂左手の美しい枯山水庭園は、天正年間に僧侶たちが集まってお茶を飲んだといわれる復元された「喜泉庵」で、庭を眺めながら抹茶を頂くことができる。廊下に、庭園にある「水琴窟」に架けられた太い竹があり、その筒に耳を当てると、水瓶から落下する水音が琴の音のよに聞こえる。参道の桜並木、本堂前のボタン園や紅葉が美しく、四季を通して草花・花木を鑑賞できる。









本堂裏の墓地の中央に、代々の住職などの石塔群と、足利貞氏の墓といわれる明徳3年(1392)銘の宝篋印塔(市文化財)が建っている。

(注)

足利貞氏(1273〜1331)の 父は家時で、子が尊氏





墓地裏には散策路」があり、見晴台から衣張山(きぬばりやま)の山容を見ることができる。
衣張山は大町の奥から浄明寺一帯に広がる標高120mほどの小高い山で、源頼朝が大倉幕府の屋敷に住んでいたころ、夏の暑い日に北条政子が「雪を見たい」と言うのでこの山に白い衣を張らせ雪の景色に見せかけて涼んだことからこの名前がついたとのいい伝えがあるが、尼さんが衣を松に掛けてさらしたことに由来しているという説もある。紅葉の時期の眺めは素晴らしい。



石窯ガーデンテラス

散策路を出て境内の左側の坂道を上ると、洒落た洋館の「石釜ガーデンハウス]がある。80年近い歴史を刻んだ洋館を改装して、石窯で焼くパンを提供するカフェ&レストランとして2000年5月にオープンした。庭に咲く四季の花を眺めながら食事やお茶を味わい、客席からガラス張りのパン工房でパンが作られていく様子をみることができる。
営業時間 飲物:10:00〜11:00/14:30〜17:00・食事:11:00〜16:30(ラストオーダー)
定休日 月曜日(祝祭日の場合は翌日に振替)12月28日〜1月3日



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