英勝寺(えいしょうじ)
扇ヶ谷1−6−13

浄土宗 東光山英勝寺



寛永11年(1634)に、英勝院が大田道灌の屋敷に創建した鎌倉で唯一の尼寺。
大田道灌四代康資の息女お勝の方が、徳川家康に仕え、家康の命により水戸中納言頼房卿の准母となった。そして家康の没後は落飾(薙髪出家)して英勝院と名乗った。
歴代の住職は水戸徳川家やその縁辺の子女が入山し、徳川家の加護を受けたため水戸様の尼寺とも呼ばれた。しかし嘉永6年(1853)に六代目清吟尼が入寂後は水戸家からの住持は途絶え、その後は徳川家の支援と松平家から住職を迎えていた。大正8年以降は東京青山善光寺から住職を招聘しているという。現在の住職は十二世の法導(はうどう)尼。

(平成16年6月18日(金)仏殿前にて)

裳階をつけた禅宗様式の仏殿は二層の屋根があり、四面に十二支が刻まれ、室町末期桃山系統を象徴する江戸初期の建築で屋根には徳川家の三つ葉葵の紋が輝いている。仏殿内の天井には天女像、鳳凰が画かれ本尊として阿弥陀如来が祀られている。

鎌倉市指定の天然記念物「ワビスケ」が有名で、梅、ツツジなど四季を賑わす花木がある境内には、袴腰付きの優雅な鐘楼があり、「寛永20年5月吉日鋳造法印林 道春撰 治工 大河四郎左衛門吉忠 銘の梵鐘が架かり、今もその音を伝えている。

切岸が迫る竹林に囲まれた静寂なただずまいの中に、唐門と英勝院を祀る祠堂(霊屋ー金箔が施された位牌が祀られてある)があり、桃山風の装飾が施されている。唐破風の平唐門をくぐり、一段と高い山麓に三間堂の祠堂が建っている。

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