わたくしたちボランティアの仲間にはコーヒー愛飲家が沢山いてなかには出勤時の朝、暖かく美味しいコーヒーを焙煎して振る舞ってくれます。このコーヒーと経済学物語とは大いに関係があります。イギリスは17世紀中頃から商人たちが富を貯えだしました。そして取引所近くのコーヒー・ハウスに集まっていろいろと商売の話をしていました。そのなかで17世紀末につくられたジョナサン・コーヒー・ハウスにはあまり芳しからぬエピソードが残っています。それはこのハウスが反乱の温床として利用されたからでした。しかし一方では、この店が株取引の中心として、折からの投機熱の高まる「泡沫時代」に浮かれた人々の集まった場所ともなりました。特に1771年に設立された南海会社を契機としてバブル(いわゆる南海泡沫事件)が起こったときはこのジョナサンにはすさまじい数の人間で溢れかえっていた、と伝えられています。
良い事例もあります。それはロイズ・コーヒー・ハウスでした。あの世界的な保険会社のロイズは、この小さなコーヒー・ハウスから始まったと言われています。1688年頃に作られたこのタワー
街
のコーヒー・ハウスの経営者としてエドワード・ロイドの名前があがっていますが、これが今日のロイズの元をつくった人物なのでした。
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