引き続きもう少し中西先生の著書から面白いエピソードをお伝えしましょう。それは1850年代に外務大臣を長く務めたクラレンドンという人のお話しです。この当時の大臣はほとんど秘書を持っていず、それでクラレンドン伯爵は60歳に近い年齢で一日16時間の執務を5年間にわたって続けたというからえらい!69歳にしてパリ大使の任を帯びた頃の日記にこんな凄いことが記されているのです。
「今年はアリストテレスの作品をギリシャ語で十数冊読んだ。始めたばかりのペルシャ語では2万4千の単語を暗記できた。ただし、そのうち8千は完璧で1万2千くらいはしっかりと暗記できているのだが、残りの4千はウロ覚えだから感心しない」。