どうもお話があちこち飛ぶようで一貫性がないとのお叱りを受けるかもしれません。だが、この千夜一夜物語は、敢えて話題を変えて作っています。同じテーマだとまたか、と言って飽きられてしまう。それよりもいろんな話題を処を変えて出題したほうが飽きられないと思ってそうしているのですが・・・。
さて今夜のお話は、ケインズの比喩で有名な美人コンクールです。もちろん経済に関係しています。すこし長くなりますが、引用してみます。
投資の専門家たちがおこなう行為は、投票者が百枚の写真のなかからもっとも美しい六人の顔を選びだし、その選択が投票者全員の平均的な好みにもっとも近かった者に賞金が与えられる、という新聞の美人コンクールにたとえることができるであろう。この場合、個々の投票者は、自分がもっとも美しいと思う顔を選ぶのではなくて、他の投票者の憧れにもっとも合致すると思う顔を選択しなければならず、しかも投票者は誰もがこうした観点から問題を捉えるのである。ここで問われているのは、自分の最善の判断に照らしてどの顔が真実もっとも美しいかではないし、また、平均的な意見がもっとも美しいと真に考える顔を選びだすということでさえない・・・・・・
これでケインズは何を言わんとしているのかがおわかりでしょう。投資家の行動は、平均的なフィクシャス(仮想)な本性に基づくことを明らかにするためにこの例を持ち出したのですね。
ところで「ハテナ」の仮想はあらぬ方へ飛んでいってしまうのです。アテネオリンピックのシンクロナイズドスィミングで日本はどうしても金メダルを取れない。金はロシアに決まっている、と。それは審査員が上の美人投票のようにロシアが最高点を取ると予想されるからそれに合致して採点するのではないか?と島国的な発想をしてしまう。良くない考えでしょうね。だって男子体操団体総合では大逆転の金メダルに輝いた!ウーム・・・。
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