ユートピア(Utopia)の世界は、それが決して実現されないがゆえにユートピアのユートピアたるゆえんがある、とはかつて誰かから聞いた名セリフだと思ったことがあります。そうですね、桃源郷などに憧れてももしそれが実際にあったとしたら、それはもう桃源郷ではないものね。
さて、そのユートピアで有名なのは、トマス・モアが1516年に「ユートピア」という作品をイギリスで発表して以来のことでした。この言葉の語源はじゃな、エヘン!と、「ハテナ博士」は威張りたいところですが、実は借りてきた話。ギリシャ語から作られた造語「どこにもない国」という意味だそうです。そのユートピアという国のモアは自分の理想とする世界を描いたわけです。
反対に、このユートピアにたいしてディストピア(Dystopia:暗黒郷)がある。この世界をあらわす作品には、ジョージ・オーウエルの「1984年」やオルダス・ハックスリーの「すばらしい世界」(ちっともスバラシクなんかない!)などがありますね。ユートピアが実現不可能な世界だと「ハテナ博士」は思うのに「ディストピア」は下手をすると直ぐに陥ってしまう。たとえば、アフリカの飢餓、イラクなどなど・・・。
こう考えると人間の営みなど容易に進化しないものだと嘆きたくもなります。もっとも今流行の進化経済学などでは、エヴォトピア(Evotopia:学習により知識や制度が進化する世界)などという造語が生まれていますが・・・。
|