10.21 丸山茂樹 7.28 塩谷育代 藍ちゃん情報  次のページへ
7.14 中嶋千尋 8.4 ティーブスロウリー 北田瑠衣
7.07 佐藤信人 8.30 不動裕理  
不動裕理

 昨年の女子賞金王がこのところ不振である。小さな体から豪快に飛ばし、確実な寄せで安心感があった去年の勢いがないのは、どういう訳か。

本題に入る前に、このページに描いてある選手のイラストについて、説明しておこう。筆者はゴルフが下手であるのと同様に、絵がうまくないのである。ましてマウスで描くとなると、鉛筆や絵筆のように思い描いた線は画面に表現できるものではない。 曲線がフニャフニャの線になるし、線の太さは力のいれ加減にかかわらず一定。おそらく紙に絵を描かせると、すらすら描ける人でも「これは難儀や」となる。

 コンピューター・グラフィックでは、絵のセンスが必要であることは当然有利だが、更に重要なことは、ツールの使い方である。さまざまな機能が用意されているから、うまく使いこなせば誰でもここに書いてある程度の絵は書けるのである。

 さて、本題に戻る。ヴァーナルオープン最終日, 2打差の4位からスタートした不動裕理(25)がベストスコア68をマーク、通算6アンダーの210で2位に5打の大差をつけ大会2連覇を飾った。5月のニチレイカップワールドレディス以来3カ月ぶりの今季2勝目、ツアー通算13勝目。8月の勝率5割超と、熊本出身らしく暑さに強いところを見せた。

 一昨年から数え、これで出場7試合で4勝。不動のお得意月間8月の戦績。勝率は、なんと5割7分になった。
 「夏に強いとかって言われても、自分ではバテバテなんですよね。よく寝て、よく食べてるだけ」と首をかしげる不動。

 「もったいないですね、来週試合がないのが」。こう笑った不動が「今年も賞金女王を目標にして頑張ります」。3年連続女王を目指す日焼けした顔が、本音を口にした

 

ロウリーとビーム

通常のストロークプレーとは違う加算型のスコアシステムで行なわれる「インターナショナル」。イーグルには5点、バーディには2点、パーは0点、ボギーは−1点、ダブルボギー以上は−3点というポイント制なだけに何が起きるか分からないと言われてはいたものの、今年の最終日は考えられるすべての劇的なショットが溢れていた。

その劇的な最終日の主役のひとり、リッチ・ビームは早めのスタート。4番のティーグランドでは25点と中盤に位置していたビームはその4番からの連続4バーディで一気に33点。12番でこの日7つ目のバーディを奪った時点では2位以下に10点差をつけるダントツのリードの39点。このまま楽勝かと思われた。しかし雨による1時間15分の中断以降その流れが変わった。

10打差で出遅れていたスティーブ・ロウリーの14番。池の浅瀬に入れてしまったロウリーはなんと、すでに雨があがっているのにも関らずレインウェアを着なおし、片足を池に突っ込んでのショット。これがみごとにグリーンをとらえ、さらにピンから3メートルのこのバーディパットを沈めてしまう。ここからロウリーの神懸りな攻勢が始まる。15番では残り132ヤードをピン奥に落としそこからのバックスピンで、なんとカップインしてイーグル!残り3ホールで3点差にまで詰め寄った!

このスーパーショットの大歓声を聞かされてプレッシャーが倍増するリッチ・ビーム。その17番でフェアウェイから完璧なグリーンオン。なんと追いつかれれば突き放すとばかりに執念のイーグルで8点差にリードを広げた。さらにロウリーが短いパーパットを外してしまい差はさらに9点に広がり、これでビームの勝利は確実だと誰もが確信した。ロウリー以外は...。

そのロウリーの17番で信じられない奇跡が起きた。残り204ヤードの2打目。6番アイアンで放ったショットはなんとグリーン上で2回だけはねてそのままカップインのアルバトロス!いきなり8点獲得!残り1ホールで1点差に再び詰め寄ったのだ。これにはビームもどうにもできない。彼に残されていたのは18番でのパーパットのみ。44点を獲得しつつも、笑顔でホールアウトできない疲労困憊の顔。あとはただロウリーの最終ホールを見届けるだけとなった。結果はリッチ・ビームがかろうじて逃げ切ったものの、稀に見る追撃の名勝負といえよう。

塩谷育代

ゴルフ5レデイス、岐阜県みずなみカントリー倶楽部最終日。
 18番ホール371ヤード。塩谷は第1打が左の深いラフ、しかもつま先下がりのライ。距離も160ヤードは残った。小林はうまく打とうとは考えていなかった。ただ距離だけは欲しいと願って、しっかり振ることだけを考えていた。
 確かな手ごたえでグリーンを捉えたが、スピンが利いていない。奥のカラーを僅かに過ぎて止まった。2打差で食い下がる”小林ひかる”は最終ホールでもあきらめてはいなかった。グリーン左のピンまで5メートル弱に乗ってきた。

 バーデイ・ボギーなら並ばれる場面。しかも途中までは芝目のきついフックライン。転がすのは危険だし、上げて止まらなかったらダブルボギーもある。選んだクラブはピッチングだから、ピッチエンドランを選んだと想像した。塩谷が打った瞬間ミスかと思った。青木がよくやるブレードでのヒット。しかも方向はとてつもない右へ出た。そして球は勢いをつけたまま左へ切れる、切れる。それも90度以上の急旋回で1メートル足りない。

 小林は入れれば延長戦とばかりに果敢に狙ったが、惜しくもはずしてパー。もう一人の不動裕理は短いパットを落としてボギー。残る1メートルはどんなに遠く見えたことだろう。ファーストパットの曲がりなら相当切れるはず。ただしピンの周囲は目が弱いところも読みきって見事に沈めた。今シーズン初勝利である。息子の大河くんをグリーン上で抱き上げで感激をともに味わっていた。

丸山茂樹 米ツアー3勝目

 丸山は初日の好調でダントツのリーダーとなったが、最終日までその勢いは衰えず、ツアー通算3勝目の快挙を達成した。

丸山茂樹
ノースカロライナ州のフォレスト・オークスCCで行われたクライスラー・クラシックは、10月17日、首痛による長期低迷を感じさせない安定したショットと、絶好調のパットで初日から首位に立った。
 これまで、出だしの好調が最後まで保てなかった経験を何度も体験し、さらには首と腰の不安を抱えているだけに気負いはなく、攻めに攻めて駄目でもともとの気楽さが幸いしたと振り返る。
 特に良かったのはグリーン周りとパット。最終日は2位に3打差をつけての首位スタートで、4番が長いバーデーパットを決めて、このグリーンは自分の読みが合っていることに自信が生まれ、5番のスライスラインも弱めでぴったりのバーデー、11番、13番ロングもバーデーを奪い,15番ロングはティーショットを曲げて左のラフ、2打目はバンカーとピンチ。ここから3メートルにつけてバーディーと絶妙のショートゲームで6バーディ、1ボギーの67で、通算22アンダーの266となって今期初優勝を手中にした。
 これで米ツアー優勝は、01年ミルウオーキー・オープン、02年バイロンネルソン・クラシックに続き毎年の優勝は本物の実力を世界に示す1勝となった。

中嶋千尋

 7月14日東洋水産レデース最終日は北海道札幌北広島プリンスゴルフコースで、5時間20分にわたる雨中の熱闘となった。

 中嶋千尋は4年ぶりに優勝トロフィーを手にし、表彰台の上で「北海道、大好きです」と愛嬌を振りまいた。長い苦悩の年月で身体は締まり、乳房をゆさゆさと揺らした往時の歩きでは無くプロゴルファーの足の運びになっていた。

 最終ホール一つ手前では長くないバーデーパットが入らず、後のクオッキとの差は依然として2ストローク、残すは最終ホールだけ。勝つためにはこれをカップインさせてのイーグルのみ、思い切って狙った125ヤードはピンの横3メートルのチャンス。

 雨は少しは小降りに変わったが、梅雨前線を刺激する台風6号は強い風雨を伴っていた。

中嶋はパッティングの構えに入って、しばらくの間動かない。解説者は軽いスライスラインと読む。長い呼吸の停止があって中島千尋はフーと大きく呼吸した。ラインのイメージが描けないのだろうか。

 それでも、そのままの構えで5〜6秒してパチッと打つ。見ている私は「これはまずい」と心の中で叫ぶ。球はカップの30センチ左へ打ち出された。ところが、意外に早く右へ曲がりはじめ、どんどんカップの方向へ進路を変え、ほぼ真中から入った。

 ナイス・バーデーの拍手の前で、スコアの提出に向かう。終わってからの記者のインタビューに答えて「このパットは死んでも入れてやると思いました」と心境を明かした。おそらく手前のほうで芝目がきついので、読んだとおりに打とうか、見た目の感覚で打とうか迷ったに違いない。どっちつかずは悔いを残すから自分の目を信じよう。その気持ちが「死んでも入れる」になったのだろう。

 最終組のラストホール。クオッキはピンチを迎えていた。セカンドは手前のバンカーに落ちた。サードショットはバンカーからうまく脱出してワンパット圏内で、入れば優勝の最後の一打を迎えた。しかしこのパットはカップ手前から切れた。彼女は距離を合わせるタイプだから微妙な方向を読みきれなければ入らない。これでボギー。最終で中嶋に並ばれた。

 雨中の熱戦はサドンデス2ホール目に移った。風も強まりクオッキはアプローチがバンカー。中嶋も届かず共にボギーオンを狙う。クオッキのバンカーショットは雨で重くなった砂にはじかれて薄めに入り、低い球筋でグリーンの反対側カラーまで転がる.中嶋もワンパットが難しい位置。先に打ったクオッキは大きくショートしてしまい、中嶋の2パットに対してクオッキが3パットで優勝をさらわれてしまった。

佐藤信人

7月7日、イーヤマカップ最終日、場所は栃木県ホーライカントリーここはヘギーの設計になる、タフなコース。巻き付くような粘る芝、巧みな水の配置、7090ヤードと十分な距離。

前日2位の佐藤は9バーディ、1ボギーの64で締めくくり、通算20アンダーで、2位の久保谷に6打差をつけた。
「完璧なゴルフだった。プロになってからのベスト ラウンドでした」と自讃した。
 「勝因はやはりパット。自分で怖くなるほど決まった」と振り返る。フィーリングとイメージがピッタリのグリーン状態だったのだろう。
これで今期の賞金獲得額7170万円で、賞金ランク首位となる。

 北田瑠衣

女子ゴルフの国別対抗戦、第一回ワールドカップが南アフリカで最終日の競技を行い、日本チームの宮里藍・北田瑠衣ペアが優勝し初代女王となった。

その一方のアイが活躍する一方、ルイのゴルフは、パーを重ねながら、その中から一打一打を拾っていくタイプ。

プレースタイルは、少し地味な印象がありますが、その分着実に上位を確保できそうな印象があります。

腕の腱鞘炎で2007年はお休みですが、これで終わる選手ではないはず。足腰を鍛えて再起を果たして女子ゴルフを盛り上げてもらいたい。プレーは、まだ少しムラがありますが、これからの選手です。セカンドでワン・ピンに寄せたら確実にワンパットのバーディを奪うようなプレー・スタイルを期待しています。

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