臨済宗建長寺派、新居山と号す
この寺の本堂は、閻魔堂あるいは十王堂とも呼ばれ、本尊として人が死後亡者となって冥界で出会う十王を祀っている。寺伝によれば、鎌倉時代の仏師運慶がある日病気により頓死の状態となり閻魔さまの前に引き出されたが、大王より「生前の物惜しみの罪により地獄に落ちるべきところであるが、汝が我が姿を彫像し、その姿を見た人々が悪行を成さず、善縁に趣くのであれば、汝を娑婆(しゃば)に戻してやろう。」といわれ、生き返った運慶はあの世で出会った閻魔大王の姿をひたすら彫り続け完成したのがこの寺の本尊である……と。なお、運慶が生き返った喜びで、笑いながら彫刻したため、閻魔さまが笑っているように見えるため、「笑い閻魔」と呼ばれている。 十王堂には国重文の閻魔大王像を中心に他の九王像が祀られ、参拝者に輪廻転生の戒めを語りかけてくれる。閻魔大王の国は仏のいない黄泉の国で、冥界の四王の取り調べの記録を閻魔帳と呼ぶ。この閻魔帳が閻魔大王に提出され、六道に生まれ変わる判断の材料となる。閻魔信仰を説く寺は、鎌倉ではこの寺と二階堂が中心のようである。 十王は亡者の生前の行いを調べる裁判官で、下記の王が裁くという。
三回忌までに十王による裁判が厳しく執り行われ、死者に判決が下される。
三十三回忌を以って死者は地上から離脱し、浄土への往生が出来るとの輪廻転生が十王信仰である。 北鎌倉駅から出発、北条氏ゆかりの古刹の拝観、季節の草木観賞そして、閻魔大王に「どんな裁きを受けることになるのかナ…。」などあの世のことを想像しながら歩いてきましたが、「鶴岡八幡宮」はすぐそこです。 鶴岡八幡宮の祭神をご存知ですか……。知らない方の方が多いと思います。別記の案内を参考に、鶴岡八幡宮を訪れてみましょう。 |