龍口寺 (りゅうこうじ)

藤沢市片瀬3−13−37


              寂光山と号し、日蓮宗随一の霊場本山     

日蓮が第四回法難にあった「龍ノ口刑場跡」に、弟子の日法上人が 延元2年(1337) に一堂を建立、自ら日蓮聖人像を刻み斬首の座の敷皮石を安置したのがこの寺のはじま りである。龍の口の地名は、この地区の地形が龍の口に似ていることから付けられたと いわれているが、人を喰い苦しめた龍が、江の島弁財天の法力で改心し、死後に山とな りその龍の口がこの地区にあたることから生まれたともいわれている。

寺域入り口の仁王門は、昭和48年(1974)竣工で、鉄筋コンクリート造りの瓦葺。 仁王尊像は彫刻家村岡久作氏の作である。山門は、元治元年(1864)竣工の欅造り銅版葺。大阪雲雷寺の発願で、豪商鹿島屋某が百両を寄進して建立された。正面に「龍口寺」、裏面に「寂光山」の扁額が掛かっている。

大本堂は、天保3年(1832)竣工の欅造り銅版葺。間口十二間奥行十五間の木造大建築で、日法上人作の日蓮聖人の木像を安置し、脇陣には六老僧の木像などが安置されて いる。左奥に敷皮石があり、日蓮が処刑されようとした時に座ったものとして保存されている。本堂前の境内に日蓮銅像、その脇に鐘楼堂があり,寛永7年(1630)作の七百貫(2.6トン)の大鐘が架かっている。「延寿の鐘」と呼ばれ、昭和44年(1970) に、龍ノ口法難七百年を記念して、中山法華経寺から移築された。大書院は、欅造り瓦葺。昭和初期に信州松代の養蚕御殿(旧松代藩邸)を移築して建立さ れた。正一位経八稲荷大明神社は、この山の周りに点在した八つの稲荷社を合祀して寺域内に建てられたという。

「大本堂」

「日蓮が捕らわれた土牢」

本堂下の岩崖に日蓮が押し込められていた土牢があり、日蓮法難霊跡として日蓮聖人の銅像が祀られている。

本堂裏東側の山中に、宗祖日蓮上人への報恩記念として明治43年(1910)竣工の県最古の総欅造り銅版葺の本式木造の五重塔があり、内部には、釈迦像と五百羅漢像が祀られてあり、本堂とともに「神奈川建築物百選」に選定されている。更に、西側の七面山に登ると、山上の平場に、日蓮法難七百年記念として、妙法寺から寄進された昭和45年(1971)に竣工した釈尊のご真骨を安置する 白亜の仏舎利塔がある。ここからの江の島、湘南海岸、伊豆箱根そして富士山の展望は見事である。


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