世界的なメディア企業であるCNNは、Cable News Network の略です。でも余りにも激しい超安上がりの取材方(一人でカメラマン、オーディオマン、編集者、レポーターまで兼ねる”ワン・マン・バンド”といわれる)をからかって、”CNNとは、CHICKEN NOODLE NEWS, つまり安っぽいチキン・ヌードルみたいなニュース”のことか?と揶揄されたりします。しかしCNN社長のショーンフェルトは一向に平気で、金を使う役目と節約する役目を同時に負わされ、ニュースの輪を回し続けていかねばなりませんでした。ここで少しばかり下ねたなエピソードを引用しますと次のようです(長くなりますので中略せざるをえませんが)。
全員が走り回ってニュースの輪を回し続けているので、ある女性ビデオ・ジャーナリストが男性の同僚に言ったものだ。「もちろんあなたと寝てもいいわよ。CNNの放送が終わったらね。」終わりのない放送ということの意味が皆によく分ってきた。キャスターはうっかりすると、
「ではここでニュースを中断して−−−ニュースをお送りします!」
などと言ってしまう。
エピソードをもう一つ。
ホーム・ビデオ・マガジン誌の記者が、CNNのニュース報道の仕方には焦点が欠けているという批判を伝えたことがある。これに対する回答。
ちょっと待ってくれ。いいからちょっと待ってくれ。焦点って何だ。ずっと生でやっていてどうやって焦点なんか考えていられるんだ。焦点とは結果が分っているから出てくるもんじゃないのか?相手の正体が分らずに焦点を結べるか?新聞ならいいだろう。連中は一日中考えてから翌日の新聞を作ればいいんだから。雑誌なら一ヶ月ある。生のCNNに焦点がどうのこうの言う奴はアホだ!
いやはや、かつての日本の猛烈社員、経営者もタジタジですね。
(参照:ハンク・ホイットモア『急成長のCNN』 下巻 p.9-11 なお原題はCNN:THE INSIDE STORYとありますから、余り公式の information ではなさそうです。)