本書の副題は、
ブンブン不平を鳴らす 蜂の巣
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悪漢ども化して正直者となる話
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です。
その1
このように部分はすべて悪徳に満ち、
しかも全部が揃えば一つの天国、
平時は媚びられ、戦争では恐れらる。
かれらは外国人畏敬の的、
そして金と命に糸目つけぬから
「蜂の巣」界の重鎮だ。
その国の功徳無量、己が罪まで手伝って
かれらを偉大にするという有難さ。
そして徳操は政治から
幾千もの手練手管を教えられ、
薫陶その宜しきを得て
悪徳と親交を結ぶ。それからは
全体のうち最悪のものでさえ
公益のため何かお役に立つようになった。
(参照:上田辰之助『蜂の寓話ー自由主義経済の根底にあるものー』 旧漢字は新漢字に改めました)